twstオルト夢「CH〇NELの№5」

twstオルト夢
🔥/🐚(両性not監)


「寝るときにはCH◯NELの香水、N°5しか身につけないんだよ、僕」

 一糸まとわぬ裸体、薄くピンク色に染まった白磁にこぼれかかる紫と銀の豊かな花びらは、なまめかしさをよりいっそう際立たせることだろう。
大体のイキモノはこれで時が止まったかのような表情を見せる。
さぁ、どうだ。

 そんな僕のほうを一瞥したかと思えば、物凄い形相でかけよってきたお目当ての恋人。


「こら、風邪を引いちゃうから服は着ないといけないよ。
いつ人が来るかもわからないんだからね」

 思わずムッとした。

「僕、人魚、風引かない……」

「それでも駄目だからね、兄さんだって服装のせいで噂の幽霊になっちゃったんだから! 」

「それは実験着にパジャマとかいうだらしのなさと、お兄さんの顔色の悪さのせいだもん! 」

「いいから、ほら! バンザイして」

オルトはいつから僕のおにーちゃんになったのかな?
されるがままにオルトに服を着せられ、ベッドへと運ばれ、ふかふかのふとんをかぶせられて、それから安眠BGMとともに寝かしつけられてしまった。
わあ、ぐっすりねむれそう。


―――――――――――――――――



「っていうことがあってね……。 
何故かシレーナが服を着ていなかったんだ。 
いくらニンゲンと価値観が違うとはいえ、脱ぎ癖は困っちゃうよ」

「アンタ……」

 ヴィオラも大変ねと深いため息をつきながらもあの子に同情した。
きっとヴィオラなりに恋人を誘惑をしていたのだが、オルトには通用しなかったようだ。
冷静に見えてなかなかのロマンチストなヴィオラのことだから、大方あの映画女優のマネをしたのだろうと目星はついている。
お手本はいつだって映画やドラマなのだから。

「これでも観なさい、映画を探求するうえで必須科目よ」

「わあ、ありがとう、ヴィル・シェーンハイトさん。 古典的な作品だね、シレーナが好きそう! でも急にどうしたの? 」

 そこだけは分かるのね、とまた深いため息をついた。
人を誘惑することに長けているヴィオラの戦法も策略もオルトには効かない、だからこそヴィオラはオルトに心を許したのだろうと。
できるならば応援してやりたい、が、これはふたりの問題でもある。
それに、本人が理解して咀嚼できていないのであれば意味がない。
オルトにはまだ成長の兆しがある。映研部員としても成長してもらわなければ。

「それを観てくることが今のアンタへの課題よ」

 もののついでだからと他の恋愛ドラマや映画もオルトに押し付けておいた。


――――――――――――――
――2年後


「シレーナ、誕生日プレゼントだよ、開けてみて」

梱包された小さな箱、大好きな恋人からのプレゼントに思わず、ぎゅっ。とハグをしながら、ちゅ。と軽いキスをひとつ。

「嬉しいな、ありがとうオルト」

自室のソファに座るよう促し、両脚をオルトの太腿の上に預け、横向きになり胸元にもたれかかった。

「香水?」

「そうだよ」

 箱の中身を開けた途端にピタリと手が止まってしまった。

「CH◯NELのN°5」

「覚えてるかはわからないけれど、 “寝るときはCH◯NELのN°5だけをつけて寝る” んじゃなかった? 」

「ほんとう、ほんとうにキミはそういうところだからね!! 」

 幼い自分の誘惑とむず痒い気持ちと覚えていたというオルトへの感情で胸の中が大変で……。

 もう!!


 そう思ったときには既に、
己の呼吸は彼に支配されていた。






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